……――だって、[視界の端でカチューシャの髪が揺れ、視線を向ける。ユーリーの言葉に、一度鼻を啜った。甘い匂いと赤い色に、烏色は何度もぼんやりと、鼓動の早さで紅色を映し、息が荒くなる] 目の届く範囲にいたら。 手の届く範囲にいたら。 俺が負けてしまったら――、ユーリーを食べるよ。 カチューシャを、ミハイルを食べるよ。 だから、 人のいない、どこかへ…行きたい。[人ならざる者の力の大きさを自分が一番知って居るから]