―― 廊下 ――[「終わったの、かな?」尋ねるryouの問いかけに、終幕を告げる七重姉の声。僕は時間差で訪れる痛みに深い呼吸を繰り返しながら、それを黙って聞いていた。ふらふらとした足取りでシャワー室へと向かうryouと、それを追いかける七重姉を見送って、僕は壁に身体を預けた。思ったほど傷は深くは無いけれど、それでも殺意に勝る爪痕は、膚に痛みを覚えさせる。]