―広間―
[そっとかけられた毛布に、少年は少し身じろいだ。
瞼はかすかに震えたが、起きることはなく、ぱたり。
一度顔を動かしたときに、アリガト、と小さな寝ぼけたお礼は聞こえたか。
暫くの間はそのまま眠っていたが――]
(どうしよう 起きたけど 起き辛い……!
これが大人のふいんきってやつですか!)
[思わずいろいろと違った言葉になったが、少年はちょっと視線だけ上げるのみ。
同じ体勢もつらいのだけれど、不純異性交遊にどきどきするのは、これでも男の端くれなのだから仕方あるまい。
神様に祈りつつ、こっそり立ち上がった]