はっ…まさか僕自身が生き残れるとは思っていなかったけど…
でも、もう少し…救えた命が――、
[有ったのかも知れない。
でもその言葉は、最後までHALと呼ばれた亡骸がある前では、
紡げなかった。
死の上に立つ生。そう、僕らは常に何かの犠牲の上に生かされている。
問われた朝食のパンの枚数。その原料だって元は育つ根を絶った物。
肉なんてその際たるものだろう。]
――七重姉、どこへ?
[てっきりシャワー室へ消えた七重姉も、水を使っているものだとばかり思っていたので、
出てきた姿に驚きながらも、よろける姿に手を貸そうと行動を共にすることを申し出た。
今度は断られず向かった先、PCのある部屋には明かりは無く――]