[ナターリエが足に塗った液、冷たさも痛みもどこか遠い。]…[気になったのかその紙を開いてみれば長い間握られていたせいか色あせて文字も読みにくかった。それでも目を凝らして、それを視れば――はっきりと文字が見えた。それが自分に投与された薬のせいだとは気付かないままそこに連ねられた文字を見る。]『ファイル名:ゼルギウス ――― パスワード:Pegasus』[書かれていた文字、その意味。考えて、沈黙を守った。]