――…もう、赤い月は昇らない。[占い師は予言じみた言葉を口にする]ロラン、月が昇っても誰も襲われはしない。キミは誰も、襲わない。[そうであって欲しいから信じるという代わりにそう言葉を重ねる。涙流しながらわらうロランの顔を見詰めた後男は少しだけ腰を折り両の手で彼の肩を引き寄せ自らの胸を貸そうと動く]キミがいなくなると寂しいよ。――カチューシャも、オリガも…会えなくなったら、きっと、哀しむ。