─ 二階 部屋H ─
違うんだ。もっと別の道があったかもしれないのに。
閉ざしたのは俺。ジットを殺して。ロザを死なせて。
……巻き込んで、祝いを呪いに変えてしまった。
やるべきことをやった。その言葉は。
命までかけた、ライに言ってやってよ。
[アマンダの声>>24に、色味を失い始めている緋色を伏せた。
嗚咽を押し殺してのもの>>25だと、聞いてるだけで分かってしまう]
悪い。もう言わない。
アマさんだって後悔してないわけがないよな。
それにまだ、終わってな……。
[何かが砕けたのを感じて言葉が途切れた。
けれど苦しさは変わらず。開放の歓びも感じなかった。
色味を失いそうなほど淡くなった瞳で、窓の外を見る。
雲の切れ間からか、細い筋が射していた。皎とした光が]