[男の呼びかけに、アルビーネが何を思っているかは解らない。
元々男は他者の機微には疎く、相手を察する事など出来はしない。
自分が出来ないのに、言わずとも伝わっているなんてどうして思えていたのだろう]
それとこれとは話が違うだろう。
大体俺は賢い訳じゃない。
[目が覚めた彼女と言葉を交わせることに安堵しながら、拗ねた口調>>379に普段通りの答えを返す。
寝坊しただけだと言いながら続いた言葉>>380に、ずっと眠れたら良いと思っていた理由を聞きたいと思ったけれど。
今は、目覚めを喜んでいる両親の言葉を、彼女に聞いて欲しかった。
「心配で済むならいくらでも安いものだよ。
アルが無事で、元気でいてくれるならそれだけで充分だ」
「アルは私達の娘なんだから、心配するのも親の特権だもの。
こうして元気な顔を見せてくれれば安心も出来るもの、それで良いの」
そう告げる二人が、心から彼女を愛していると伝わるように。
そして]