─過去の一幕・公園─
それは、うん。見てると分かるかな。
[とてもほんわかしているけれど…、というのが母親の語る友人像だった。その息子であるはずのこの御仁は。
それを更に突き抜けてる気がした]
……ほら。
演奏会に来る人達はその腕を認めるからこそ聴きに来るんだし。
本人が否定するのもあんまり、な。
[これは謙遜ではないなと確信する。
内心の涙は押さえ込んで、一般論らしきものに落とした]
あっ、俺、今日はもうそろそろ戻らないと。
隣の区画からこっちまで通ってるんでさ。
[留学生の身分であること、一人暮らしではなく預かってくれている家族がいることなどを簡単に説明し]
もし良かったら、今度改めてお邪魔させてもらうよ。