[辺りを見回す少女>>393。
その所作の意味は測れなかった。
ゆらり揺れて床に座り込むような態になり、僕は近付いて来る彼女を見詰めた。
返る声に、やはりオリガなんだと確信を抱く。
問いには小さく、首肯をして見せた]
ん……。
雷の音が少し苦手で、可愛い笑い方をする人。
…護りたかったのに、護れなかった、人。
[手の届く距離までにやってきた彼女に右手を伸ばしかけて、躊躇うように引っ込める。
左半身の闇は未だ僕を侵している。
侵されていない右手でも、触れたら彼女にも移ってしまいそうで。
浮かせた右手は立てた膝を抱えるように動いた]