─過去の一幕・公園─
[見てるとわかる、という言葉。その裏の思いは知る由もなく]
あー……まあ、そう、ですね。
[一般論に落とされた言葉にも、素直に頷いた]
そうですか……では、時間のある時に。
私、暇なときは大抵、ここにいますから。
[のんびりとした口調で言った所に鳴る、通信端末のアラーム。
アラームの音は、相手によって分けられている。今鳴ったのは、仕事関係の相手からのもの]
私もちょうど、仕事に戻らなくてはならないようですし、ね。
それでは、また。
[にこりと笑いつつ、噴水の縁から立ち上がって一礼する、その挙動は演奏の舞台で見せる伶人のそれ。
けれど、住宅街の自宅へと歩き出す頃には、どこかのんびりとした青年へと戻っていたとかいないとか**]