……これを開くハメになったのは、さて、何百年ぶりでしたか、ねぇ。[は、と一つ息を吐く。黒と白が対為す異形の翼は、神とも魔とも取れるもの。──どこかの伝承には、聖魔併せ持つ魔神として記されていたりするかも知れないが、それはそれ]我が何か、と問い、答えを望むのならば、我が影を追うがいい、強き光持つ者。[歌を吟ずるように告げる声は、どこか女性的な艶を帯びたもの。浮かべる笑みもまた、然り]