人狼物語 ─幻夢─

84 廻る刻・待宵歌


本屋 クレイグ

……ん、悔しい、な。
生きててほしかったし、生きてたかった。

……俺だから残せるもの、俺だけが残せるもの。
それがなんだか見えたのに、見えた時には、届かなくなってた。

だから、余計に……悔しくて、仕方ない。

[言いながら、右手をぐ、と握る。
待宵草の浮かぶ右手。褪せた紅の帯びていた熱は、いつの間にか冷めていて]

……もっと、たくさん書いて、残したかった。
俺の字で記せるもの、一つでも、多く。

[冷えたそれに視線を落としながら小さく呟き。
僅か、沈黙が落ちて]

(400) 2013/08/13(Tue) 01:59:17

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