[静かに現在へと傾く天秤。
頭にかかる靄がゆっくりと晴れてゆくのがわかる。
知らないはずの隻眼の彼に護られていた記憶は
その名を思い出す鍵となりまた一つ数珠繋ぐように辿られる。
サーシャの驚きの音色>>402が聞こえたと思えば
優しく緩む眼差しを感じ胸に宿るのあたたかさ。
膝を抱える手の甲に、少女のゆびさきが触れ、重なる]
サーシャさんが手があったから迷わずに済んだの。
[迷子だと思っていた私が探していたのは帰り道でなく
失ってしまったと感じたこの手だったと思えた]
不安な時も傍にいてくれた。
気に掛けてくれて、嬉しかった。
[熱を出した時も、犠牲者が出てからも
それは変わらず感じていて
心の拠り所であったのだと知る]