[一端脱いで、最初に向かったのは洗面所。そこにはまだ人の気配があった]アーベルか。顔色が悪い…のは、こんな状況じゃおかしくもない、か。[そも他人のことを言えた顔色をしてはいなかっただろう。外気に晒され冷え切った身体。軽く絞り、重さを減じた上着を羽織る。短い会話程度は成立しただろうか。疑うのは誰。少女の足音。知らぬ部分の多い相手。それは目の前の人物とて同じ]…それじゃ。[出て行ったのはどちらが先だったか。寒さに小さく身震いすると、飲み物だけでも貰おうと厨房へ]