― 道具屋 ―
[視線彷徨う気配に心当たりある感情が浮かびはするけど
確かな言葉を選ぶ間もなく揺らぎは消えたようだった。]
それでも嬉しかったからね。
言葉にしなきゃ、伝わらないだろ。
――…あー、色々筒抜けだったみたいだけどさ。
[柔い響きに目許が和む。
似た形になるクレイグの柳眉が見えて微か首が傾いた。
呆れ帯びる響きを受けるとわかってると言うように頷く。]
……。
[それでも、わかっていても、考えてしまう。
有望な若者の命よりも、と。
クレイグの声が聞こえなくなった後に零した思考>>5:=1が
繰り返し繰り返し巡ってはやりきれない気持ちになる。]