―村の通り―
[3人で歩く帰路の最中、白い髭を蓄えた自衛団長と出くわした。]
こんにちは、ギュン爺。
[夫に手を引かれたまま、ぺこりと頭を下げて。顔を上げると目が合った。
どこか難しい顔をしているご老体に、何度か目を瞬かせると、名を呼ばれ、手招きをされたので首を傾げた。]
どうかしたんですか……?
[一度夫の手を離し、彼に近づけば、低い声で仕事を一つ頼まれた。
その内容に、また青い瞳は閉じたり開いたり。驚く、というよりは不思議そうにしていた。]
ええ、それは別に構わないですけど……
でも私じゃ、あまり良いものは作れませんよ?
[確認するように尋ね返せば、それでもいいとの返事。
なるべく急いで欲しいと最後に付け加えられて、
了解の旨を一礼して返すと、再び夫らの所へと戻ってきた。]