―― キリルの家 ――[知らず自分も話しながら思いが募って掌に額をつけるような姿勢になっていた] ![掌の向こうで扉が揺れる。身を少し離すと細く扉が開いて、中の花が白く見えた。目を細める]だからダメだよ、キリル。もう月が高く出てる。どういうって、そういうこと。[細い隙間から彼女が見える。そのことに頬がゆるんだ。 これ以上開かないように、扉に手をついた]今日は怖がらせてごめんね。明日か明後日、仕切りなおそう。