一人だったら、そもそも俺は医者になれていない。
皆が俺の迷いを払ってくれたから、俺はこうして進んでこれたんだ。
[真っ直ぐに進んで来られたのだって、自分の居場所が此処にあると思い続けてきたから。
包み込んだ左手、指先撫でられる温もりに目を伏せて]
…今度遠慮したら、承知せんぞ。
無理やりにでも引っ張って、聞きだすからな。
[微か、意地悪に見える笑い顔を見せて返し。
間の開いた後の言葉に、瞬きを繰り返した後]
言っている意味が解らんのだが。
お前以上に特別なヤツなど居らんのに、とっておいてどうする。
[首を傾げるのを心底不思議な顔で見つめた**]