ちょっとあっちへ行ってくる。[すっくと立ち上がり、大広間を指差し誰にともなく言い、ベアトリーチェとイレーネの脇を会釈してスタスタと大広間に向かい。なにか、踏んだ。] あ。[感触はなんか、柔らかい。足を退かさないまま足元を見る。人を踏んだ、かもしれない。見なかった事にして方向転換し、玄関の傍へ。] あたしが悪いんじゃない。[茂るいばらをやぶにらみに見てそう言った。]