─二階・個室─[片手は胸元を掴むように抑えたまま、片手で真白の猫を抱えて部屋へと戻る。林檎と、水差しの乗った盆がテーブルの上に置かれる様子をしばし、ぼんやりと見つめた後]……兄さん。ここで、伝承がなぞられるなら。やらなきゃならない事って、ひとつだよ、な。[掠れた声で、ぽつり、呟く。くらい翠は伏せられていたから。どんな表情が向けられていたかは、気づけない]