─ 黒珊瑚亭 二階・五号室 ─
[滲んだ視界を笑みに隠し、自信家と鼻を鳴らす友>>258に返す声は常のそれ。
意識されても、と言われればそれもそうだ、と笑って。
幾許かの間を置き、返された言葉にそれを収めた後]
ばーか。
んなことで緊張すんなよ。
[続く言葉も聞きながら、わしゃと背の月色を乱して]
…いいんだ、それでも。
自分重ねてただけだから大切じゃないなんて、誰が言える。
少なくとも、お前を殺されたって理由で俺を殺す位にはお前の存在が大きかったんだろ。
なら、俺はあの子がお前を大切に思ってたって信じられる。
お前以外に大切なもんがあったとしてもだ。
大切なもん、一つしか持てないなんて、決め付けてやるなよ。
[自分が乱した毛並の上に、ぽふり、手を置いた*]