― ある日の午後 ―
[何故か名物には華麗に遭遇しそこねる子供が一人。
今は船内の第2階層、食堂の中に潜り込んでいた。]
すげーまっくろ。
それ飲めんの?
[とあるねーちゃんが飲んでいた、真っ黒い飲み物に興味津々。
きらきらした目で見るも、まだ早いからと自分はオレンジジュースを注いでもらっていた。
父の心子知らず。
持たされた端末は、ちかちか光っているが当然気づくはずもない。]
ねーちゃんは何してる人なの?
…けんきゅーせきにんしゃ?
ふーん、えらい人なんだ!
[肩書きの意味はよく分からないまま、子供は無邪気にえらいひとなんだとその人へ尊敬の眼差しを向ける。
ただ相手をしてくれていた女性は、子供に「ねーちゃん」と呼ばれて何だかとっても機嫌が良く。
子供に飴やら何やら、色々と与えてたっぷり甘やかしてくれていた**]