─最終試練場・魔力流砂─
[少しは弱ってきただろうが、それでも止まらないように見えた虹の砂。
足元はもう埋まってしまい、腹までそろそろつ沈みそうだった。
少し焦りが生まれだす。
このままずるずる埋もれるのは問題だったが、それより主人がこの状況見たら何ていうか。
怒りはしないだろうが。むしろそれが怖い。
うぅと低く長い詠唱を始めると、次に放つのは上位古代語での古代語魔法。]
『 マクウノトキ ソコニウマレシ クロヒツジ
ゲンセノヒカリ ツツメジュバクニ 』
[黒い文字が揺れ崩れると、落ちてくる砂の周囲を取り囲み、重力の魔法が砂の流れをぐにゃりと歪ませる―前に砂の流れはようやっと止まった。
急いで砂から這い上がる。流れもいつの間にか止まっていた。
きゃんと鳴きながら毛の間についた砂をぶるぶると払い落とすと、背中から羽根を出し入り口のほうへと急いで、文字通り*飛んでいった。*]