……ま、なんつか、アレだ。
オレ、あちこち歩き回るし、もしなんか手がかりになりそーなもん見つけたら、知らせるわ。
その琥珀持ってりゃ、探すのは簡単だし。
『……ぉぉ。
にーさんが、自分からタダ働き申し出るとか、めずらしぃわぁ……』
……るせーよ。
[大げさな口調で茶々を入れる黒猫妖精に突っ込み入れて、それから]
ま、あれだ。
……全ての事象は、因果律の紡ぐ未曾有の可能性から選び出される一つの在り方。
んでもって、因果律は絶えず揺らぎ、その相を変えるもの。
アンタが、自分から道を閉ざさなきゃ、悪い方にはいかねぇよ……きっと、な。
[ほんの少しだけ真面目な口調で告げたのは、育ての親でもある師から教えられた、運命の在り方の論だった。**]