困っている人のために……?
[漠然とした言葉に、娘は眉を寄せる]
んな事言われたって。オラに何が出来るんだか。
「んなもん。何だって出来るんでねえの?」
「んだ。良くわかんねえけど、ロミの力は凄いんだって、皆が認めてくれたみてえだし」
オラの力……。
[少女は思い出す。自分が戦った、或いは戦いをその目で見た人間の事を。
確かに皆、凄い能力者で――信じられない事だけれど、自分は彼らの頂点に立ったのだ。
しかし、その遥か高み。『総帥』と呼ばれる存在。
彼は、一体何を見据えていたのか――その一端すら、結局は量り知る事は出来なかったのだけれど]
あんなに凄い事を考えてる人が、世の中にいるんだ。
だったら、オラだって……オラにも、何か……。