―― PCのある部屋 ――
あ、うん。ありがとう。 じゃぁ、待ってるから。
もう終わったなら、二人だけでも大丈夫だよ、ね?
[七重姉から水を受け取って。
戻る姿を見送ってから、僕は改めて暗い部屋を見渡す。
明かりは、一切無い。あの不気味に煌々と光っていたPCでさえも、
今は静かに眠りについている。まるで狼が事切れたかをなぞる様に。]
脱出方法――…
[ぼくはおもむろに携帯を二つ、取り出す。
そう、アートさんと僕の、もの。
バックライト機能を使えば、暗い部屋も、
少しは明るくなるだろうと思って。
何か探すためにも。]