『…………いや。 あれから、見に行った花は。 既に散っていた。二輪共に』[勘の良いヴィントの重ねた問に、強く眉根を寄せたが。ふと、花を愛せる彼にならいいかと、そう思えて。瞼を閉じて一呼吸挟んだ後、それだけ、ではないことを告げた。淡々と囁いたつもりでも、そこには深い愁嘆が宿っていた]