―回想―
[あるネットワークを通じて見える光景。そこに映し出される魔術師たち。
そこに私が求めているものがいるのかいないのか。微かな期待と焦らぬ諦観さをもちながら眺め続ける。様々な者がいた。だが何か足りなかった。
このまま独り。見続けるのだろうか。己が力を振るうときはずっと訪れないのだろうか。
そんな幾年月も過ぎて]
『どこ?…ここは…』
[気づいたときには深い森にいた。おかしい。私は今までずっとずっと見ていただけそれにこの光景も人気がない。いや、あるにはあるが、そこにあるのは見るからに低脳といわんばかりの賊で、魔術師ではない。
誰もこちらに気づかないままなぜか帰ることも出来ず、しばらく周囲をみると、この賊は何かを取り囲んでいるように見え声も聞こえる。独りで運が悪い。や、売り払えば金に。などという言葉。中央を見れば一人の青年。
何も感情を感じ取れない。諦めたのだろうかとさえ感じているほど静かにいた青年。
ただ一つ。聞いたことのない音を口から発した
それに周囲がなんら反応を返さないでいると、青年の存在感が爆発的に広まった]