─ 三階・書斎 ─
[女主人の骸に向けた言葉に、返される声はあったか。
無くとも、もう既に心は定まって]
…誰か、止血をお願い出来ますか。
[呼べば、メイドが音も無く姿を見せる。
右肩の傷、血止めを済ませるだけで後は良いと断って]
私はまだ行くところがありますので、此処を離れます。
もしその間にメーフィエが屋敷を出るようなら、教えて下さい。
[メイドに頼むは、『仲間』のこと。
自分やベルナルトとの間に隔意を感じているのは気付いていた。
『鬼』になりたくない>>4:*25と彼女は言った。
ならばと、「人」に戻るを躊躇わぬよう冷たい言葉を向けて、突き放して。
そんな己の顔などもう見たくないかもしれないけれど、せめて見送りだけでもと願って。
そして、『鬼』はまた一階へと降りていった]