─ 狭間の空間 ─[開いた天鵞絨は、まだどこかぼんやりとして。己がどこにいるかは、掴めぬよう。ただ、何となく首筋に目をやって。そこに、自覚したときと同じよう、絡みつく茨とその先の花を見たなら、安堵したように眉を下げる。『持ってこれた』のだ、と。そう、認識した直後に聞こえた──声。>>434]……ブリス……?[天鵞絨は一つ瞬いた後、そちらへと向かい、それから。零れそうになっているものに気づいて、更に数回瞬いた]