[態々男前なる言葉を繰り返しにやりと口の端を持ち上げる。返される声が常のもの>>425なら眸に滲むものには直ぐに気付けない。あいた間に、朱金の双眸がアーベルを見遣り仄かな水の気配に気付く]アーベル。[如何したのか問おうと名を呼ぶと背の毛並みが些か乱されそちらに一瞬気を取られた。彼の考えが言葉として伝われば少しばかり考えこむように小さな唸り声が漏れる]――……。[否定も肯定も出来ぬのは同胞の考えを掴みあぐねるからか。は、と深めの息を吐き出して、ゆるりと首を振る]