俺は一番がいいんだ。[背に手を置くアーベルを見詰め、またわらう。触れていた月色の毛並みは消えて瞬く間に獣から人の姿となり]両手に収まりきるだけの、大切じゃなきゃ零して、守りきれなくなりそうだから。[守る力などもとよりないものだけど。否、だからこそ、一つでいいと路地で話した最期と同じ姿形で笑みを深めた*]