[伸びてくる手を拒むことはせずに、箇所によっては多少くすぐったそうにしたかも知れないが][代わりにこちらは姉の頬に手を伸ばす][そこにあるのは硝子の冷たさなどではなく、生きた人間の体温]大丈夫。[廊下で囁いた言葉を、もう一度]いなく、ならないし、……させない、から。[控えめで曖昧な言葉には、それでも確信が籠っている**]