―その時―[ロミの悲鳴が聞こえて黒瞳を伏せる。辛くとも、灯の消えた今はもう川を渡って戻ることは叶わない]だから、カル。カルはまだこっちに来ちゃダメなんだ。頼むね、ユーリ。[幾つもの紅が舞い散る。そして大河に消えてゆく銀色の影]ああ、終わる…。[身体の中から何かが抜けてゆくのを感じる。水面に映る紅の月も揺れて崩れていった]