―事件の後・宿屋―
……それで、この不始末の責任はどう取る心算かな。
[友人の鮮血を浴びたまま、底光りする双眸に瞋恚を湛え
エミリーは自衛団の男たちに詰め寄った]
貴方たちが間違っていたんだよ。
”私たちの中に、人狼はいなかった”
[『人狼の正体は実は見張りの自衛団員で
正体を暴かれ、自棄になり大暴れをした』
それは陳腐なストーリーではあったが
現に不運な自衛団員が姿を消している事実と、広場を駆け抜けた獣の目撃談があり
重傷を負ったライヒアルトとエーリッヒの姿を目の当たりにしたことで、ようやく自衛団も考えを改める気になったようだった]