『……そう、か。
血と共に、伝わる事もあるから……そういう事も、あるんだ』
[娘も、という言葉>>454に、小さく呟く]
『俺も、親父から受け継いだものだし……イレーネも、そうなんだっけ、確か』
[独り言めいて紡ぐのは、誓い交わした朱花の名。
それから、ふる、と軽く首を振り]
『それが救い……になるっていうのも、なんとも言えないけど。
……それで……』
[問うか否か、短い逡巡。
けれど、聞いておきたい、という思いの方が僅かに勝り]
『……あんたは、これから。
どうする、わけ?』
[問いを投げたコエは、ごく静かなものだった]