― 雪原 ―パパ、オクタヴィアンさん、怪我は?守ってくれて、ありがとう。[重なり合う二つの声が消えてゆくのを感じながら。娘は自分を直接に庇ってくれた二人にまず感謝した]私は大丈夫です。アーベルさん。でも。[振り返り、名を呼んでくれた人>>4:101へと首を縦に振り、膝を突いたままの姿勢から立ち上がる]エルザさんも。終わらせてくれて、ありがとう。[命のいろ>>3に染まった人のところまで歩み寄り、冷たい銀色を握っていた手に、自分のそれをそっと重ねた。無事であることを確かめて、それから]