―回想:場が動く前―[ロミの身体をギュッと抱きしめて、泣く子の背をトフトフと叩き、声を、言葉を、聞く。無垢な表情に、どうやら彼女が死を認識していないらしきに気づき、一度、ヨハナへと視線を向けた。] ロミ、ちゃん。[知らぬほうがいいのだろうか。知ったほうが良いのだろうか、と、悩む。知る事は彼女にとって辛いことだろうから。] …今の私には、見えるわ。 見える人と見えない人が、いるの。[結局紡いだ言葉は、誤魔化しのようなそうでないような*]