― 5日目・黒珊瑚亭 ―[階段を降りる足が、やけに重たく感じられた。もう肉体もなく地に縛るものはないはずなのに]な…っ。[やっと食堂が見えるところまで来ると、自らの手で刃を胸に埋めるエーリッヒの姿が見え、目を見開いた。人狼が他にいる以上、彼が死んでも終わらないのに。何より、自ら命を手放すことなど許されざることなのに]