─中庭・屋台村の隅─
そか、なら良いか…。
伝説のは知ってるよ。
けど鬼が逃げ切ったらの話は聞いたこと無いな。
仮にそう言う伝説があったとしても、参加した動機が何か願いがあってじゃないからなぁ…。
[言いながら、小さく欠伸が漏れた。左手で口元を覆ってから]
んー、ゼル先輩も?
まぁ、あの人物欲とか無さそうだもんなぁ…。
[似ていると言われても「そうかな」と首を傾げるだけで。小さく笑うイレーネをぼんやりとした様子で見上げる。目の前の少女にも何か願いがあったのだろうかと考えながら]
うんやぁ、他の連中が煩くないなら別に良いんだけど。
[謝罪にはゆるりと首を横に振る。最後に、と言われて視線を戻し。紡がれた言葉に動きを止めた。思わず暗翠が見開かれる]