― 狭間/*** ―[横たわる"彼"の身体から薄れた朱花には未だ気付けない。此方を向く修道士の目>>449に意識を奪われて、彼の声で呼ばれる自分の名を聴く。]……っ、[喉が引き攣って、同じよう一度瞬いた。その弾み、空っぽの筈の身から零れるものは何なのか。箍が外れたように無様にも、視界を曇らせ、ぼろぼろと落ちるのは。]