[横薙ぎに繰り出される刃。
――空気を裂く音にゆるり瞬く。反射的に三節を解いた。
咄嗟に、三角を描くようにして節を組むと、
刃の繰り出される方への身体へと添えて――
瞬間。鈍い、衝撃。
裂かれはしないものの、軽く吹っ飛ばされる。
勢いのまま一回転した身体を、ぎりと脚に力を入れて立て直す。
低い大勢のまま開いた間合いを見やって、
口の中に広がった鉄の味を吐き出した。]
…すっげ、力。
[ありえねーし。
解かれて、三節に連なった棍の尾を床に垂らしたまま
軽く舌をだして、肩を竦めた。――この間合いでは、手を出し難い。]