[アーベルが配ってくれたお茶を受け取ると漸く椅子を引いて腰を下ろした。温かい香りが鼻孔を擽りながら喉を落ちていくのに、少し、落ち着く様子を見せる。が、] ……ッ[ミリィの言葉>>463が鼓膜を揺らした時、弾かれたように振りかえり、不意にガチャ、とカップが硬質な音をたてた。顔こそ、いつもの無表情のままだけれども]