─解放直後─[終曲を告げる機械音声は、どこか、遠く聞こえた。思う事は、ただ。父を嘆かせずにすんだ──という事。それ以外の事は、その時は考えられずに。その後、政府の状況処理班によって保護され、重症を理由に病院に収容された。演奏会の主催側はこの状況のおかげで相当苦労した──というのは、後々に聞いた話。ともあれ、父と再会したのは、彼の一件から数日が過ぎてからだった]