─中庭・屋台村の隅─
[ただひたすらすまなそうに。身を縮こまらせていたのだけれど。
ふわり。身体が自分の意思でなく、動く]
え。
[抱き締められた腕の中、即座に状況を理解することができず。
呆然と相手の顔を見れば、そこにあるのは屈託のない笑顔]
私…?
[ああ、この笑顔が好きなんだと。親友たちが話しているのを遠目に見ながら、吸い込まれるよに惹かれていったのだと。その認識から言われた言葉が心に染み込んできた。
大きく瑠璃が見開かれる。そして]
……いいの?
凄く嬉しいけれど。
[泣きそうにも見える笑顔。
誰かが見ているかもとか、そんなことは全く思いつかずに。ただただ嬉しくてその胸に頬を寄せた]