―雪原―[駆けるその先で、あかい獣から真紅が散る。こぼれて、あふれて。……其れに触れたとて、最期のおもいはわからないだろうけど][じわりと、また蒼が熱を持つ。枷を外された左腕を浸食し、歓喜に打ち震える。それが、嫌で。辿り着くよりも少し手前で足を止め、肩をきつく握り締めた][大丈夫、と。何処か安心させるように聞こえた言葉と自分の名>>462。それに安堵して、顔を上げて。でも。と続いた音に瞬いて、鉄紺色がその奥へと滑る]