……お前、余命幾許も無いんだってな。
机にあった診断書、見たぜ。
調べが終わる前に死なれちゃ困るんでなぁ。
頭ん中『視』させてもらうぜ。
[修道士の目の前にしゃがみ込むと]
[右手でその首元を掴み上げる]
[生の色を映さぬ瞳]
[それを隻眸で]
[否、開かぬ『右眼』で覗き込み直接記憶を探った]
[見つめた瞳は果たして己を映していただろうか]
[探る記憶は事件の黒幕や関係者についてと病気についての記憶]
[事件の記憶については、彼から『証言』を取ったとすればその信憑性は増すことだろう]
[病気の記憶をも読み取ったのは、彼がどれだけの絶望を味わい、どれだけの苦悩をしていたのかを知りたかったため]
[彼の口からは決して紡がれることは無いと思ったために]
[そして、最後にもう一つ記憶を読み取り──]