[人々が立ち、あかが白に横たわる、奥。
黒から落ちる赤が、見えて]
ライ、……ッ!
[背に宿ると同じ色が舞う元へと白を蹴る。
嫌な予想が胸を占めて、そんなはずはないと意識から振り払い]
[半ば滑り込むように傍に膝を付く。
裂かれた衣服、溢れる赤は浅い傷のそれとは到底結び付かずに。
呼吸は繋がれているけれど、乱れ方が良い状態にも見えない]
[すぐに手当に回れる人は居ただろうか。
自身が思い付けるものなど止血程度で、それでも必要なら叶う限り]
絶対、……絶対、死なせない……っ!
[その間、幾度も繰り返した言葉は。
彼に向けたものか、自身へ向けたものか、わからないけれど*]