[ずるり、と。力の入らぬ身体を積もった真白の上に押し上げる。そのまま、よろめきながら歩き出した。方向感覚も何も、まともなものは残っていない。それでも、進むべき方向は、感じていた。森の奥の、更に奥へ。彼らの手が触れる事のない場所へ。先に進んでどうなるか──なんて。考える余裕は、ない、けれど]